YouTube新機能「custom feeds」とは?プロンプトで自作する情報収集術

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POINT

  • YouTubeが言葉で自分専用のおすすめ画面を作れる新機能「custom feeds」を発表した。
  • GoogleのGeminiを活用し、含める内容や除外条件を文章で指定してタブとして保存できる。
  • 仕事用の情報収集と娯楽を切り離し、動画推薦のノイズや偏りを能動的に制御する手段が手に入る。

言葉でアルゴリズムを組む「custom feeds」とは何か?

YouTubeを開くと、ついいつもの娯楽動画に目を奪われて時間が過ぎてしまう。仕事の情報収集を目的に開いたはずなのに、メイン画面には前日に見た趣味の動画ばかりが並ぶ。そんな経験を持つ社会人は少なくありません。

YouTubeは2026年9月、ユーザーが希望する動画の内容を文章で指定しておすす動画を受け取れる新機能「custom feeds」を発表しました。この機能は、YouTube上の入力欄にプロンプト(指示文)を記述することで、独自の推薦アルゴリズムを自分で構築できる仕組みです。詳細は米メディアのYouTube will let you build your own algorithm with AIが報じています。

技術の核となるのは、GoogleのGemini AIモデルです。Geminiが入力文の意図を汲み取り、条件に沿った動画を抽出して並べます。完成したフィードは、YouTubeホームページ上部の専用タブとして表示されます。既存のメイン画面が上書きされるわけではありません。従来のアルゴリズムを維持したまま、業務や学習に特化した専用窓口を別枠で持てる点が特徴です。

YouTubeの製品管理担当副社長エミリー・モクスリー氏によると、プラットフォーム上の動画数は200億本を超えています。膨大な動画の山から自力で検索を繰り返す手間を省き、アルゴリズムを自分の手で手なずける時代に入りました。ウェブ版とモバイル版で順次提供され、複数のフィード作成にも対応します。

なぜ仕事の情報収集に「自作フィード」が効くのか?

従来のYouTubeのレコメンドは、過去の視聴履歴やクリック行動から作られます。強力ですが、どこまでも受動的です。「昨晩たまたま見たお笑い動画」に引っ張られ、翌朝の画面がエンタメ一色に染まる事態を防げませんでした。

custom feedsの強みは、推薦基準をユーザー側の言葉で直接指定できる点にあります。プラットフォームが推測する「あなたの好み」を待つ必要がありません。「今月はこのテーマだけを追う」という意思を、テキストで明確に宣言できます。

特にビジネス用途では、娯楽動画との分離が集中力に直結します。ホームページ上部のタブを切り替えるだけで、仕事モードとプライベートの閲覧体験をすっきりと分断できます。履歴を消去したり、業務用に別アカウントを作ったりする面倒な運用も不要になります。

従来フィードとcustom feedsの比較
受動的アルゴリズム 従来のメインフィード 推薦の起点 過去の視聴履歴・クリック 行動から推測された関心に基づく コンテンツ環境 娯楽と学習が同一画面に混在 直前の娯楽動画に全体が引っ張られる ユーザー側の制御 プラットフォーム任せ クリック重視のため偏りが発生しやすい 意図駆動型コントロール custom feeds 推薦の起点 Geminiによるプロンプト指定 言葉(テキスト)で推薦基準を直接宣言 コンテンツ環境 専用タブで仕事と娯楽を完全分離 タブ切替だけで仕事モードに集中可能 ユーザー側の制御 自ら条件をカスタマイズ 含める・除外・優先のルールを自在に制御 受動的 従来のメインフィード 起点 過去の視聴履歴・行動推測 構成 娯楽と学習が混在(偏りが発生) 制御 プラットフォーム任せ クリック重視で意図しない偏り 自作・能動的 custom feeds 起点 Geminiプロンプトで直接指定 推測を待たずに言葉で意思を宣言 構成 専用タブで仕事と娯楽を完全分離 アカウントを分けずに集中環境を維持 制御 含める・除外・優先を自ら制御 ノイズを排除し狙ったテーマに特化
custom feedsは自然言語プロンプトを用いて、表示したい動画条件をユーザー自身で定義・管理できます。

ノイズと偏りを防ぐプロンプト設計の3要素

custom feedsでは、単に「AIの最新ニュース」と入力するだけでは十分な効果を得られません。指示が漠然としていると、再生数稼ぎの扇動的な解説や初心者向けコンテンツばかりが並んでしまいます。実務に耐えうるフィードを仕立てるには、次の3つの要素を言語化することが欠かせません。

1. 含める内容の解像度を上げる

追いたい対象を具体的に絞り込みます。「クラウドサービスのマーケティング施策」「製造業における生成AI導入の現場レポート」のように、業界や適用領域を明示することで、文脈に合った動画が抽出されやすくなります。

2. 除外条件を明記してノイズを削る

アルゴリズムの制御で鍵を握るのが、不要なノイズの排除です。「過度にあおるタイトルの動画は除外する」「個人の感想動画やショート動画は含めない」といった指示を加えます。クリックベイト(興味をあおる釣り動画)を遠ざける条件をあらかじめ埋め込んでおくことが肝要です。

3. 優先する情報ソースの形式を指定する

動画の信頼性を担保するために、情報の出どころや形式を指定します。「業界の専門家インタビューやカンファレンスの登壇セッションを優先する」「公開から3か月以内の一次情報を優先する」といった条件を添えると、質の高い動画が集まります。

この3つの条件を組み合わせることで、情報源としてのYouTubeが研ぎ澄まされます。日々の業務やスキルアップに必要なインプットを、効率的なルーティンとして定着させることが可能です。

複数フィードを使い分ける情報整理の実践

custom feedsは用途に合わせて複数作ることができます。1つのフィードにあらゆる関心事を詰め込むと、アルゴリズムの焦点がぼやけてしまいます。目的ごとにタブを1つずつ切り出す使い方が合理的です。

  • 業界の最新動向を追うための「テック市場トレンド」フィード
  • 実務スキルを体系的に磨く「データ分析・プログラミング学習」フィード
  • 視野を広げる教養インプットのための「経済・国際情勢の専門講義」フィード

このように目的ごとにタブを設けておけば、開いた瞬間に必要なテーマへ思考を切り替えられます。「プラットフォームにどんな偏りを与えられるか」を気に病むのではなく、「どの偏りを自分で選ぶか」をコントロールする側に回るのが、これからの情報収集のあり方です。

まとめ

YouTubeのcustom feedsは、流れてくる動画を受動的に消費するスタイルから抜け出すための有効な手段です。アルゴリズムに主導権を奪われるのではなく、こちらの意思で動かす道具に変えられます。

機能が使えるようになったら、まずは次の3行をメモ帳に書き出してみてください。

  • 深く追いたい具体的なテーマ(含める内容)
  • 見たくない刺激的な釣り動画の形式(除外する条件)
  • 信頼できる専門家の講演や最新動画(優先する形式)

この条件で専用タブを1つ作るだけでも、動画プラットフォームとの付き合い方が大きく変わるはずです。